パンを作ってみて思うこと
もうとうにお店はないのだけれど、昔、川越に夜中に営業してる岩田屋というパン屋さんがあった(らしい)。
私は1度も行ったことはないんだけれど、真夜中というのに行列ができるお店だったという、古い記事を沢山の方のブログで読んだ。
(検索するといっぱい出てきます)
営業していたのは年配の男性で、コッペパン、食パン、バターロールとかもあったらしい。コッペパンはジャムとか、あんことか、バターとかを注文に応じてその場で塗り塗りして挟んでくれるスタイルだったようだ。
その記事の中に、『なぜ、夜中の営業なのか』という質問をしたら、
「朝捏ねて〜、昼焼いてると〜、夜になる。」
と、答えてくれたと書いてあった。
この言葉が忘れられない。
パンという食べ物は、つくりあげるのに時間がかかる。ドライイーストなるものを使えば、失敗もなく作れるけれど、それでも時間はかかる。
天然酵母…となれば、尚更。
フルーツや野菜から約1週間かけて酵母を起こし、粉と合わせて膨らむのを待つ。
パン作りの本に載ってる一次発酵だの、ベンチタイムだのの時間はまるで目安にならない。
とにかくじっくり、酵母と粉に向き合って、ひたすら裏方に徹し、様子を見、手助けしなければパンにはならない。
特にこだわりがあるわけでもない私は、とりあえずパン作りに慣れようと、ドライイーストと強力粉とホームベーカリーの生地作り機能を使い、まずはプレーンなパンを焼いてみた。
(でも、ついつい大好きなフェンネル入れてしまって😅)
知らないとはこういうことなのか。
膨らむとは思っていたけど。
間隔は空けたつもりだったんだけど
隣同士がくっついて焼き上がった。🤣
フェンネル入れすぎたけど、大好きだからいい香り❤️
孫の手により、バーガーバンズみたいなパンはバーガーみたいなサンドイッチになり、お口を桃源郷に変え、消えていく。至福なり。
「焼きたて」ってね。その全てがご馳走です。
香りも、形の悪さも、ご馳走。
余計なもの(所謂添加物、ふわふわしっとりを持続するため、カビが生えないような小細工)はひとつも入れておりません。なので、すぐ固くなるし、3日もすればカビも生えます。
だからこそ、愛おしいのだろうな。
身体のことを考え健康を考えて、見てくれを良くしたり、日持ちをよくしたりする添加物を使わない決断をしたとして、それは今の時流に逆らう事になるのではないだろうか。お客様はとうに日持ちの感覚も長くなっているだろうし、(大手さんのパンは2週間経ってもカビなかったりする💦)たった3日でカビが生えたら、きっと大騒ぎだろう。
いつまで放っておいても、カビが生えないようなパンの方が、食べるのは怖いけど、きっと生活する上で、利便性を考えたら簡単にカビが生えたら困るから、そちらを選ぶのだろう。
冒頭に書いたコッペパンの岩田屋さんは、夜中に買ったパンが、朝には硬くなってると書いてあったし、パン屋のおじさんは「うちは薬を使ってないから1時半までに食べて。明日は硬くなるから」と言って販売してたと書いてあった。
食べ物って、本来そういうものなのだと思う。
時間をかけて作り上げ、最高に美味しい出来立てを食べる。本当のご馳走って、そういうものだよね。
と、たった2日パンを焼いてみただけで、偉そうに語ってしまったぜ。
今日はロールパン風にしてみた。
自家消費できる程度の量で、色々やってみようと思ってます。
今日も、良い1日を。笑顔でね💖